ハローワークでは毎日たくさんの求人を求める求職者達がやってくる。その中には前職に対してなみなみならぬ情熱を抱いて仕事をしていたが、本人にとっては不本意な理由により職を離れざるを得なくなり、求人を探しているという人たちも多い。円満退職によって転職を探している人たちばかりでもないであろう。
私もハローワークで仕事を求めていた。そしてその仕事を探している間の期間は、自分が社会的にどういった位置づけにいるのかがわかりづらく、とてもつらい毎日だったことを覚えている。マズローの欲求5段階説というのがあるが、人はまず承認欲求を求める。社会的に仕事を持ち、自分が何かしらの組織に属しているという安心感が必要なようだ。そして、多くの場合ハローワークに来る人達はその承認欲求が満たされていない。
私が職業を探していた頃も、ハローワークで大声を上げて担当者を責めている人を見たことがある。それだけ職が無い状態はつらいということだ。それは自分を振り返ってもわかる。
私は幸いな事に担当者に恵まれ、その担当者は職業相談と全く関係のない相談事にもよく乗ってくれた。そして日常的に起こることについてよく相談するようになり、仕事が見つかった時は自分のことのように喜んでくれたことを覚えている。職を探す間の辛い期間を、めげずに支えられるスキルも、実は職業相談所に求められているのではないだろうか。